退職して無職になる前にやっておくべきことを備忘のため残す。サラリーマンは定期収入があるため金融機関から見たステータスは高い。各種サービスの申し込み時に、サラリーマンのときならなんら問題なく記載できた「勤務先」や「年収」等が、今後「無職」として記載しなければならなくなり審査落ちする可能性が高まる。必要なサービスは退職前に申し込んでおく必要がある。
いつまで無職になるかを考える
すぐに転職するのであれば問題ないが、退職後、無職の期間はクレジットカード発行等に制限がかかる可能性が高い。その後、起業や独立をした際には、属性が「無職」から、「自営業」や「会社役員」に昇格する。勤続20年のサラリーマンよりは弱いが無職よりは各種審査が通りやすくなるはずである。いずれにせよ今後は金融機関から見たステータスが弱くなるためできることは退職前にやっておくべき。
健康診断の受診
退職後は、健康診断は自費で受診しなければならなくなる。年に1度の定期健康診断は退職前の会社で受診しておく。
労務関連情報の退避
自身の過去の給与明細や保険証の利用状況等、退職前の会社のWebサイトを通じて確認できていたものは退職後に確認できなくなる。これらの情報はWebサイトが使えなくなるまでに必要であれば退避しておく。くれぐれも会社の機密情報流出にならないように気をつける。
健康保険組合のポイントの消化
会社によっては、福利厚生の一貫で、福利厚生サービスを利用できるポイントを毎年付与してくれるようなところもある。もしそういった制度があるのであれば、退職前にポイントを使い切る。
住宅ローンの借り換え・新規契約
もし、住宅ローンの借り換えや、住宅購入や不動産投資等で銀行借り入れを検討しているのであれば、絶対に退職前に行っておくべき。勤続年数等が重要な審査条項となるため、退職・転職後は融資可能額が下がる。
クレジットカードの新規申し込み
クレジットカードの申込み時には、勤務先情報が必要になる。クレジットカードは発行にはカード会社側で申し込み内容についての審査が入るため、無職だと審査落ちする可能性が高い。長期的に保有したいクレジットカードに関しては、このタイミングで作成しておくべき。
短期のキャンペーンや直近改悪が予想されるカードには惑わされず、改悪リスクが低く長期的に保有する価値のあるカードを申し込む。
ちなみにクレジットカードの申し込み情報は、業界内で共有されている。短期間に大量のカードを申し込むと「多重申し込み」と判断され審査落ちするリスクが高まる。半年で2枚以内、というのが目安とされているが、退職前の最後の追い込みであるため、審査落ち覚悟で優先順位をつけ順番に申請する。
クレジットカードキャッシング枠の増額
もしクレジットカードのキャッシングを使っている、使う予定があるのであれば、退職前に上限を増やしておく。クレジットカードのキャッシング枠総額は法律で年収の1/3までとされている。退職後や独立後に年収が下がった場合には、キャッシング枠が認められれなくなる可能性が高い。
もちろんクレジットカードのキャッシングなど使ってはいけない。ただし、海外旅行中に現金を出金する場合には、手数料よりキャッシング金利のほうが安いことがある。しかし、昨今海外でも現金を使うケースは減ってきているためほとんど誤差の範囲。
クレジットカードのアップグレード・ダウングレード
所有カードのゴールドカードのアップグレード、ダウングレードも退職までにやっておくべき。アップグレード、ダウングレード時には再審査が発生する可能性が高く、その際に勤務先情報の申請が必要。審査であるため、無職ならアップグレード、ダウングレードを拒否される可能性がある。
メリットがなくなり年会費がかかり続けるカードに関しては、ダウングレードを行う。インビテーションを狙って修行してきたカードに関しては、初年度の年会費を払ってでも狙いたい上位カードを申請する。
証券口座、投資信託口座、外貨口座の開設
投資取引口座を作成する場合、投資経験や収入の属性(会社員か否か)を申請する必要がある。どの証券会社でも同様であるため、法律や通達で必ず確認すべき、となっているようである。無職だからといって審査落ちする可能性は低いが、退職後に新規に口座を開こうとした場合、証券会社や銀行に、属性が無職であることが記録される可能性がある。
スポーツクラブの契約
退職後にスポーツクラブでも通おうかと考えているなら、退職前に契約しておく。クラブにもよるが、私の契約したスポーツクラブでは、入会時に、収入の属性(会社員か否か)や勤務先を記載させられた。審査落ちすることはないと思うが、どこで情報共有されるかわからないため、無職であることは書面で伝えないほうが無難。
放送大学へ入学
退職後、通常は月16,520円の国民年金を払う必要があるが、学生納付特例という制度があり、退職直後に学生であれば、例外的に前年度の年収や同居している妻の年収に関わらず、翌年3月まで国民年金の納付が猶予される制度がある。放送大学の入学金は24,000円+1科目11,000円。35,000円払えば学生になれる。例えば7月に退職した場合、8ヶ月間の国民年金132,160円の免除が可能。入学は10月と3月のみであるため、退職前に入学しておく必要がある。
退職後に先送りしてよいもの
各種デビットカードの発行、各種プリペイドカードの発行、家族カードの発行等に関しては、勤務先情報等の記載は不要なため、退職後でも申し込めると思われる。不安なら退職前に発行しておくにこしたことはないが。
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