父が亡くなったときの手続き②〜生活の継続

火葬、初7日まで終了したあと、各種事務手続きを進める必要がある。母は精神的に動けない状況になっているため、子どもたち主体で各種手続きを進める必要がある。父名義の銀行口座は凍結されてしまうため、まずは母の生活の継続に必要な契約変更を行う。時間のかかる相続関連の手続きは後回しとする。

健康保険の切り替え

14日以内に手続きが必要。母が病院にいけなくなるためこれだけは早急に進める必要がある。葬儀社主導で行った父の健康保険資格喪失届が受理されると、母に新しい健康保険証が送られてくる。

役所の手続き(住民票が存在する役所)

母と一緒に役所に向かう。窓口で父が亡くなった旨を伝え、必要な手続きは何が必要かを確認。チェックリストのようなものを渡されるため、これに従い、役所のさまざまな窓口で手続きを実施する。基本的には各種社会保険料の差額精算手続きがほとんど。

銀行口座の棚卸し

通帳やパソコンを調べ、父名義の銀行口座をまず一覧化する。通帳のある口座は記帳を行い、残高および直近の取引明細を明らかにする。父名義の銀行口座は銀行へ死亡の事実を伝えてしまうと口座凍結されてしまう。一度凍結された口座の解除は、遺産分割協議が完了している必要がある。銀行へ死亡の事実の届け出前に、自動引落されている公共料金等は、母へ名義変更するとともに、母名義の銀行口座からの支払いに切り替える必要がある。

父名義の公共料金等の契約の洗い出し

各種公共料金など、父名義で契約しており名義変更が必要な契約を洗い出す。証券口座、保険、クレジットカード、電気、ガス、水道、携帯、ネット、新聞など。洗い出しは、銀行口座の自動引落および、銀行に紐づくクレジットカードの利用明細等を手がかりに洗い出す。

各種公共料金の名義変更

洗い出された契約から、契約先に電話をかけ、名義変更および母名義の銀行口座へ引落口座変更の手続きを確認する。父名義の銀行からの自動引落がなくなることを目指す。

銀行、証券会社に関しては、名義変更に戸籍謄本等が必要になるため後回し。

電気、ガス、水道、携帯、ネット、新聞等に関しては、名義変更および口座振替変更届を出せば変更可能。電話での問い合わせ時に自宅へ変更依頼書を送付してもらう。変更依頼書が届いたら必要事項を記載して返送し、母名義の銀行口座引落に変更する。

父名義のクレジットカードは電話で解約する。

生命保険会社との調整

父名義で契約している生命保険会社へ連絡し、死亡保険金の受領手続きと、保険料の引き落としを停止する。また、母名義の生命保険、医療保険がある場合には、保険金受領者や代理人が父となっていることが多いため、これを長男に変更する。

火災保険会社との調整

自宅に火災保険を設定している場合、契約者、引き落としが父名義になっていることが多い。これを母名義に変更する。火災保険は5年に一度の支払であるため、直近銀行口座の引き落としの棚卸しで見落とすことが多い。

自動車保険会社との調整

自動車を所有している場合、車の所有者、自賠責の契約者、任意保険の契約者の名義変更が必要になる。車の所有者変更は、各種戸籍が必要になるため先送り。自賠責は一般的に車の所有者変更と同時に行うためこちらも先送り。任意保険に関しては、この時点で契約者変更、引き落とし口座変更の手続きを進める。一般的には父名義のままでも事故の補償は行えるようである。ただし事故後保険金請求の際には、車の所有者や保険契約者を変更したあとでないと支払いが行われないよう。

戸籍謄本の取得(本籍地の役所)

後続の年金手続きの変更を行うためには、母の戸籍謄本が必要。戸籍謄本は本籍地の役所へ申請が必要。本籍が遠隔地にある場合、何度もやり取りを行うのは非効率であるため、後続の手続きでも利用できる戸籍謄本を申請する。具体的には、父の本籍地の役所に、「出生から死亡までの連続した戸籍」の取得を郵送で申請する。連続した戸籍がいくつあるのかは申請時点では不明なため、定額小為替は一般的には1セットにつき3000円添付する。余ったら返却される。部数は1セットでよいと思われるが、念のため2セット取得する。

年金手続き(年金事務所)

年金関連の手続きは、役所では行えない。年金事務所で手続きを進める必要がある。年金事務所での相談は予約が必要になるため、まずは日程調整を行う。また手続きにあたっては、母の戸籍謄本が必要になるため、郵送での戸籍が取得できたあとに面談が行われるよう予約を行う。

銀行口座引落がないことの確認

ここまで手続きが完了すると、生活に関わる入金・引落は母の銀行口座に切り替わっており、父の銀行口座からの定期的な引落はなくなっているはずである。口座変更には時間がかかるものもあるが、このあとの銀行口座の停止に向け生活に必要な口座引落がないことをしばらく注視する。

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