どうせお金を使うなら、普段の生活でクレジットカード等を利用してポイントを貯めるのが合理的である。ポイントを貯めるのはよいが、最終的にそのポイントをどのように利用すべきかについて考察する。
ビジネスクラスでの世界一周旅行を目指す
1ポイント1円で普段の買い物で利用しても良いが、最も効率的に利用できるのは世界一周ビジネスクラス特典航空券に交換することである。スターアライアンスの29,000マイル以下のビジネスクラス航空券は普通に買うと705,500円。マイル交換だと200,000マイル。1マイル=3.5円の価値がある。1ポイントをANAマイルへ交換するのは、最高レートで0.7。つまり1ポイントは2.47円で利用可能。ポイント還元率1%のクレジットカードは、実質還元率2.47%になるということである。
特典航空券は取りづらい?
ビジネスクラス特典航空券は人気が高く、自分の都合の良い日程で予約を取るのは至難の業である。サラリーマン中は、特典航空券を利用するのは現実的ではない。しかし、老後リタイア後であれば、土日や繁忙期にこだわらず取れる日程で旅行を計画することができる。1年前から計画して調整すれば取りづら特典航空券も取得できる日程があるはずである。
つまり、一生に一回の老後のイベントの一つとして、世界一周旅行を目指すことになる。ちまちま獲得したポイントを都度消費して月1000円程度お得になるより、老後の世界一周旅行のほうが夢があり満足度が高い。
ANAマイルである理由
ポイントをマイルへ交換するレートは、ANAだと最高で70%、JALだと最高で50%となる。ANAマイルのほうが効率的にポイントを利用することができる。また、世界一周特典航空券は、ANAにはあるが、JALにはないようである。貯めるべきはANAマイルということになる。
ANAマイルは世界一周用にとにかく優先して貯め続け、やむを得ず貯まってしまったJALマイルは、区間航空券としてビジネスクラスやファーストクラスで利用するのが得ということになる。
ファーストクラスではない理由
ファーストクラスのほうがより還元率が高い。定価で1,140,000円、マイルだと300,000マイルであり、1マイル3.8円。しかし、世界一周に利用しようとすると、区間によってファーストクラスが存在しない路線があり、ビジネスクラスに格下げとなり損をすることがあるため。
目標獲得ポイント
一生に一回の夫婦2人の老後のイベントとしてビジネスクラス世界一周を目標とする場合、65歳までに40万マイルを貯める必要がある。交換レート70%で考えると、65歳までに58万ポイント貯める必要がある。20年間で貯めるなら、1年に30,000ポイント貯めれば良い。生活費を可能な限り高還元のクレジットカードで決済すれば十分に到達可能なポイント数である。
マイルの有効期限
ANAマイルの有効期限は3年。3年で期限切れになるため、20年かけてマイルを貯めるには、有効期限無期限のポイントでため続け、利用直前にANAマイルへ交換する必要がある。有効期限切れを回避するためには、直接ANAマイルを貯めるべきではない。
貯めるべきポイント
上記より、ANAマイルへ交換でき、有効期限のないポイントを優先して貯める必要がある。この条件を満たすのは、永久不滅ポイントである。また、ポイント交換ルートを開通すれば、交換手数料無料で永久不滅ポイントに交換できる、Tポイント、WAON POINT、JRキューポ、エポスポイント、Gポイントも条件を満たす。これらは交換レート70%である。これらはポイントの中でも汎用性の高い上位ポイントの位置づけとなり、いつでも等価で楽天ポイント、Vポイント、dポイント、Pontaへ交換も可能。逆は行えない。
VポイントはGポイント経由でANAマイルへ交換した場合交換レートは56%、楽天ポイントからANAマイルへは交換レートが50%となる。dポイント、Pontaは、交換レート50%でJALマイルのみとなる。JALマイルは楽天ポイント経由で40%でANAマイルへ交換できるため、dポイント、Pontaは、ANAマイル交換レートは20%となる。ANA交換率が低すぎるため、dポイント、PontaはANAマイル交換は考えず他の使い方(JALマイル区間航空券等)を考えるべきである。
dポイント、Pontaポイントを50%でJALマイルに使った場合でも、上位ポイントはその他のポイントよりも1.4倍の価値があることになる。
年に1回程度、dポイント増量キャンペーンというものが行われており、永久不滅ポイントを10%増でdポイントに交換できるが、10%程度の増量があったとしても上位ポイントからの交換は行うべきではない。
またVポイントは、ソラシドマイルに交換し沖縄無料航空券に使うのが最もお得。
交換ルート開通に必要なクレジットカード
永久不滅ポイントをANAマイルに70%で交換するため、みずほANAマイレージクラブカードが必要。JRキューポを永久不滅ポイントに交換するため、JQセゾンゴールドが必要。エポスポイントをJRキューポに交換するため、JQエポスゴールドが必要。
エポスカードは家族間でポイントの授受・集約が可能であるため、妻名義でもエポスゴールドを作ったほうが良い。Gポイントを常に手数料無料でJRキューポに交換するためスルガ銀行Gポイントクラブはあったほうが良い。万一ANAマイルの有効期限切れが発生した場合に備え、10%の手数料でANAマイル有効期限を伸ばせるソラチカカードも持っておいたほうが良い。Vポイントをソラシドマイルに交換できるようにするためソラシドカードも持っておいたほうが良い。
ショッピング額の1%が直接ANAマイルとして貯まるカードもあるが、1.5%でポイントを貯められるのであれば、1.5%クレジットカードでポイントを貯めるべき。有効期限も考慮不要。
ポイントの貯め方
クレジットカードの年間100万ボーナスを達成するため、JQセゾンゴールドはCONNECT証券で、JQエポスと妻エポスはtsumiki証券で、月5万円のカード積立を行い即売却する。
積立を除いた100万の残分、JQセゾンゴールドで年40万、JQエポスで年40万、妻名義でエポスゴールドを年40万で、合計120万(月10万)生活費をクレジットカード決済すれば、上位ポイントを年間45,000ポイント貯められ、年間3万ポイントのノルマを達成できる。
獲得したポイントは夫の永久不滅ポイントへ集約し、ポイント運用を行うことで投資による増加も狙う。また、JQセゾンゴールド、エポスカードは、可能な限りポイントアップショップでの決済を優先する。
ポイント改悪リスクへの対応
20年間の間に、ポイント交換レートや、交換ルートが改悪になることも考えられる。改悪告知から数ヶ月以内に60万ポイントを使い切る手段を考えておく必要がある。ポイントを証券投資に利用できる証券会社を契約しておき最悪の場合には、証券口座経由で現金化の道を確保しておく。
ポイントの使い方
ポイントは原則現金では購入できないため、貯めると決めたら獲得したポイントは普段現金として利用せずに貯め続ける。ポイント利用分には通常ポイントはつかないため、ポイントがたまるケースでポイントを利用するのは不利。ただし期間限定ポイントは普段使いで消費する。
楽天の期間限定ポイントは請求書払いで利用する。使い切れない場合は楽天ペイで利用する。
dポイントの期間限定ポイントは、日興フロッギーで株または投資信託を購入し現金化する。
有効期間のあるVポイントは、期限切れ前に家族間で授受し有効期限を半年延長する。
ANAマイルは、有効期限切れ前に減額やむなしでソラチカポイントに交換する。10%減額となる。
ソラチカポイントは有効期限切れ前にANAマイルに交換する。
JALマイルは、有効期限切れ前に減額やむなしで楽天ポイントに交換する。55歳以上であればJMB GG WAONへ入会し有効期限を5年に延長する。
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